【高学年にも「図書の時間」を!】学校図書館の時間を早々に卒業してしまうのはもったいない!

高学年の「図書の時間」の獲得の方法から実践をお伝えします!

「図書の時間」は、とても大切です。

なのに「図書の時間があるのは低学年だけ」は思い込みです。もったいないです!

せっかく1年生から築きあげてきた読書力と図書館の活用の習慣が、なぜ、高学年になったら早々、図書の時間を「卒業」してしまうのでしょう。

高学年は、授業数が多くて忙しいんでしょ!?

先生に「図書館に来て」って言いにくい・・・

「図書の時間」といえば、「読み聞かせ」でしょ。

高学年にも読み聞かせするの?

そうです。忙しいけど、難しいかもしれないけど、「絶対ムリ!」というわけではないです!

高学年だからこそ、高学年になってようやく読み聞かせができる絵本やお話があります。小学生のうちに読むべき本を紹介するのです。

着任当時は低学年だけの「図書の時間」を、着任3年目で4年生まで、4年目で5年生と6年生の1クラス、そして5年目についに全学級が図書館に週に1回、来ることになりました。その秘策は・・・

高学年にも図書の時間獲得の秘策 その1 【子どもから先生に】

4年生にあがり、担任の先生から新年度の時間割が発表になった時、とある児童があることに気が付きます。

図書の時間がない・・・?

先生、図書の時間は?

なんだ?それ?

先生は高学年の担任になることが多く、「学校司書」が配置され数年経つのに、「学校司書による図書の時間」の存在さえ知らなかったようです。

図書の時間だよ。〇〇先生(司書のこと)が読み聞かせしてくれて、読書して、本を借りて帰る「図書の時間」だよ

ホントだぁ。図書の時間がない。なんで?なんで?

あ~、じゃあ、ここの国語を「図書」にするかぁ。

このような具合で、4年生にも「図書の時間」ができました。

高学年にも図書の時間獲得の秘策 その2  【司書から先生に】

年度初めに、各担任の先生を回り、1年間の「図書館利用計画案」を手渡します。

各教科、各単元で、どのような図書館利用ができて、これまでどのような利用があって、その成果をお伝えします。

その時に

最初の「図書の時間」では、図書館オリエンテーションを行います。いつにしますか?

と尋ねます。決して「オリエンテーション、やりますか?」と弱腰ではなく。

なにしろ全学年、国語の教科書に「図書館の利用」の単元がありますから。

これで第1回「図書の時間」を確保できます。

オリエンテーションが終わり、次の予定を尋ねます。

特に新しく着任された先生や高学年に初めて担任になられた先生には、あたかも「この学校は全学級『図書の時間』があることは当たり前」のような感じで

来週はいつですか?割り当ての時間でいいですか?

来週のこの時間は身体計測があるからなぁ・・・

じゃあ、学級でまとまって来るのではなく、身体計測が終わった子から来ますか?

それとも他の時間にしますか?

1時間は取れないけど・・・

自由読書の時間が少なくなりますね。本の返却・貸出ができるように、本を持ってくるよう子どもたちに伝えてください。

という具合に、できるだけ図書の時間を取るよう促せるといいですね。

役に立つサイト

各学年のオリエンテーションのやり方とダウンロードできる資料を載せています。

学校図書館オリエンテーション ▶

継続してきてもらう方法

ここが、司書の腕の見せ所です。

図書の時間に先生の心を動かすもの

  • 読み聞かせの時に輝く子どもたちの瞳
  • 紹介した本に群がる子どもたち
  • 落ち着いて読書に集中する姿
  • 成果物の展示による子どもの意欲の向上

これを見たら「図書の時間って大切だなぁ」と分かってもらえるかもしれません。

毎回、全力を出し切る気持ちで挑んでいます。

先生方と勤務時間が違うため、司書の週カレンダーに「図書の時間の予定」を記入して司書の机上に戻していただくよう、先生の机に置いていたこともありました。戻ってこないか、「今週はありません」と書いてあることもしばしば・・・

直接、お尋ねした方が、断然、利用回数が増えました。

コミュニケーションの大切さを感じます。

「あらしのよるに」は最強

「あらしのよるに」(作/きむらゆういち 絵/あべ弘士 発行/講談社 1994年)は、ハラハラドキドキしながら聞いてくれて、読み手もその反応を楽しめる作品です。

そして最後は「なんで、ここで終わるんだよ~」と身もだえするでしょう。

さあ、これを使いましょう。「2巻は、次の図書の時間に」と言います。

続きが気になってしょうがない子どもは、2巻を借りたがりますが、「他のクラスにも紹介したいので、今日は貸せません。でも、次の図書の時間に、2巻を読み聞かせします」と約束をするのです。

「先生~、次の図書の時間はいつ~?」と担任の先生に詰め寄る姿を横目に、司書はシメシメとほくそ笑むのです。

まとめ

「図書の時間」は低学年だけでなく、高学年も是非取ってもらいたいです。もし週に1度が難しいのでしたら、隔週など工夫してもいいかもしれません。

とにかく図書館に来ましょう。

そして貴重な1時間を充実した時間にしたいものです。

役に立つサイト

「図書の時間」の重要性と過ごし方のポイントをまとめました

図書の時間 ▶

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