学校図書館にテーマ展示をしましょう
学校行事のコーナーの実践例

学校行事に合わせて、学校図書館の中にコーナーを作りましょう。行事に対する準備する気持ちを高めることができ、また「ちょうど知りたかった」と読みたい・知りたい気持ちの時にフィットした本との出会いは格別です。

書架に入れたままの良書を前に出しましょう。

学校行事別に実践例、具体的な本を紹介します。

運 動 会

運動会は楽しみにしている子もいれば、不安に思っている子もいるでしょう。少しでも前向きな気持ちになれるよう、手を差し伸べられる本があるといいですね。

  • 運動会を楽しみになるお話・・・「はしれ!ゴールのむこうまで」(作/くすのきしげのり 絵/稲葉卓也 出版/講談社 2015年8月)・「むしたちのうんどうかい」(作/得田之久 絵/久住卓也 出版/童心社 2001年9月)・高学年には「だいぶつさまのうんどうかい」(絵/苅田澄子 絵/中川まなぶ 出版/アリス館 2017年8月)
  • 運動会がテーマの本・勇気が出る本・・・「しっぱいにかんぱい」(作/宮川ひろ 絵/小泉るみ子 出版/童心社 2008年9月)・1ねん1くみ1とうしょう(作/後藤竜二 絵/長谷川知子 出版/ポプラ社 1987年1月)
  • 足が速くなる本・・・7類のスポーツの本
  • 「運動」に関連する本・・・オリンピック・パラリンピックの本

遠 足

1年生の遠足は、地域の動物園や公園に行くことがあるかもしれません。中にはこれまで動物園に行ったことがなくて、動物園というものを知らない子どもがいることもあります。動物園とはどういうところか分かるや動物のどこを見ればいいのか分かる本もいいです。

  • 遠足が楽しみになる本・・・「ぐりとぐらのえんそく」(作/中川李枝子 絵/山脇百合子 出版/福音館書店 1983年3月)・「つんつくせんせいとつんくまえんのくま」(作・絵 たかどのほうこ 出版/フレーベル館 2002年)
  • 行き先の土地の本・・・2類地理
  • レクの本・・・7類のバスレクや公園のレク
  • お弁当の作り方の本・・・5類のお料理の本

読書週間・月間

文化の日をはさんで2週間、読書週間です。学校でもそれに合わせて読書週間・読書月間を設けることが多いですね。図書部や図書委員会で様々なイベントを行うことが多いです。図書館も飾り付けて盛り上げましょう。

  • 図書館や本が出てくるお話・・・「フランクリンの空とぶ本やさん」(文/ジェン・キャンベル 絵/ケンティ・ハーネット 訳/横山和江 出版/BL出版 2018年2月)・「としょかんねずみ」(作/ダニエル・カーク 訳/わたなべてつた 出版/瑞雲社 2012年1月)この「としょかんねずみ」を読み聞かせすると、自作の本を図書館に置いてほしい、という子どもが続出します。「としょかんライオン」(作/ミシェル・ヌードセン 絵/ケビン・ホークス 出版/岩崎書店 2007年4月)

★「フランクリンの空とぶ本やさん」を読み聞かせをした後には、本文中に登場するお話の本を最後に紹介します。例えば「かいぞくの本」と出てくるので「かいぞくぽけっと」(作/寺村輝夫 絵/永井郁子 出版/あかね書房1989年6月)など、「ねずみが星座のかたちになって」とあるので「秋の星座」の本など、フランクリンが読んだ本と同じような本を準備すると「学校と同じだぁ」と物語の中にもう一度入り込むことができます。

  • 本を読む楽しさが分かる本・・・「なみきビブリオバトル・ストーリー本と4人の深呼吸」(著/赤羽じゅんこ・松本聡美・おおぎやなぎちか・森川成美 イラスト/黒須高嶺 出版/さらえ書房 2018年7月)・「ビブリオバトルへ、ようこそ!」(著/濱野京子 絵/森川泉 出版/あかね書房 2017年9月)
  • 実際にある本が出てくる小説・・・「貸出禁止の本をすくえ!」(作/アラン・グラッツ 訳/ないとうふみこ 出版/ぽるぷ社 2019年7月)

人権週間

自分も他の人も大切にする、ということを考える週間です。

  • 自分のよさに気が付くお話・・・「ええところ」(作/くすのきしげのり 絵/ふるしょうようこ 出版/Gakken 2012年1月)・「こころってどこにあるのでしょう」・「心ってどこにあるのでしょう?」(作/こんのひとみ 絵/いもとようこ 出版/金の星社 2018年4月)
  • 他人のよさを感じるお話・・・「あのときすきになったよ」(作/薫くみこ 絵/飯野和好 出版/教育画劇 1998年4月)・「賢者のおくりもの」(作/オー・ヘンリー 絵/リスベート・ツヴェルガー 訳/矢川澄子 出版/冨山房 1983年)
  • 自分の成長が分かる本・・・「こいぬのうんち」(作/クオン・ジョンセン 絵/チョン・スンガク 訳/ピョン・キジャ 出版/平凡社 2000年9月) を1年生時と2年生時と2年続けて読むと、1年前の自分の理解度の差が感じやすいです。1年生では「うんち」に反応して笑いが出ます。2年生では2度目ということもあって、「うんち」に反応しなくなります。1年前に聞いた時より、「そういう意味だったのか」と気づきもあります。

このように年をまたいだ計画や長いスパンで読書指導ができるのは「学校司書」ならではの素晴らしい点です。

  • 色々な人がいることを理解できる本・・・「どんなかんじかなあ」(作/中山千夏 絵/和田誠 出版/自由国民社 2005年7月)・手話の本・点字の本など

食育週間

食について考える週間です。学校図書館ならではの角度から、アプローチしてみましょう。自分の体に「食べものがどのように作用してくれるのか」が分かると、色々なものを食べる大切さが分かるでしょう。食べものがどこから、どうやって来たかを知ると、感謝の気持ちも生まれます。食を選択する力も必要です。

  • 栄養素が分かる本・・・5類栄養素が分かる本・4類消化について分かる本・朝ごはんの大切さが分かる本
  • 食べることの感謝の気持ちがわく本・・・「どこからきたの?おべんとう」(作・絵/鈴木まもる 出版/金の星社 2020年5月)・「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」(原案/塚本義喜 作/内田美智子 絵/魚戸おさむとゆかいななかまたち 出版/講談社 2013年12月)
  • SDGsの本・・・「目標12 つくる責任つかう責任」の本・「目標2 飢餓をゼロに」の本
  • フードロスの本
  • 食を選択する力がつく本
  • テーブルマナー・食べ方の本

給食週間

1月末に「全国学校給食週間」があります。給食を当たり前のように毎日食べていますが、そのかげにはたくさんの人の仕事があります。「当たり前ではないこと」「食べることは自分のためになること」も分かると、自然に感謝の気持ちが出るでしょう。

  • 給食を作ってくれる人のことが分かる本・・・「給食室のいちにち」(作/大塚菜生 絵/イシヤマアズサ 出版/少年写真新聞社 2022年7月)・「どこからきたの?おべんとう」(作・絵/鈴木まもる 出版/金の星社 2020年5月)
  • 世界の給食が分かる本・・・3類か5類・「そうだったのか!給食クイズ100」(監修/松丸奨 出版/フレーベル館 2019年10月)
  • フードロスの本
  • 好き嫌いがなくなる本・・・「やきざかなののろい」(作・絵/塚本やすし 出版/ポプラ社 2014年11月)・「そのときがくるくる」(作/すずきみえ 絵/くすはら順子 出版/文研出版 2020年4月)

音 楽 会

音楽会を開いたり、芸術鑑賞でコンサートに出掛ける学校もあるでしょう。みんなで音楽を奏でるよさを感じると、今後の音楽への興味も深く広くなります。そのお手伝いができるといいですね。

  • 音楽を演奏する人が出る本・・・「105人のすてきなしごと」(文/カーラ・カスキン絵/マーク・シーモント 訳/なかがわちひろ 出版/あすなろ書房 2012年6月)・「おんがくねずみ ジェラルディン」(作・絵/レオ=レオニ 訳/谷川俊太郎 出版/あすなろ書房 1980年3月)・「セロひきのゴーシュ」(作/宮沢賢治 絵/茂田井たける 出版/福音館書店 1966月4月)
  • 音楽の本・・・7類
  • 楽器の本・・・7類
  • 音楽家や作曲家の伝記・・・「世の中への扉 ピアノはともだち 奇跡のピアニスト 辻井伸行の秘密」(著/こうやまのりお 出版/講談社 2011年4月)

防災訓練

月に1度くらい、防災訓練が行われます。中でも全国的に防災意識が高くなるのは9月と3月でしょうか。「防災」と合わせて「身の回りの危険」について学べる本を並べましょう。

  • 「防災」という書名の本・・・火事・地震
  • 異常気象の本・・・大雪・洪水・集中豪雨
  • 交通安全の本
  • 町や家の中での危険について書かれている本

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