学校図書館にテーマ展示をしましょう
季節のコーナー実践例

学校図書館のコーナーは定期的に変更すると、とても新鮮な図書館の印象になります。

魅力的な飾りつけをすると、華やかになって、テーマ展示の本からどんどん貸出が進んで、嬉しい悲鳴をあげることでしょう。

テーマ選びって、毎回悩んじゃう💦

それに、どんな本を置いたらいいのかも、難しい・・・

分かります!毎年、ワンパターンだな、って思うこともあります。でも大丈夫!子どもも「あ、今年もこの季節か」と図書館から季節を感じて、生活で実感するお手伝いになります。

また子どもは成長しているので、去年と同じコーナーに置いてある本でも、これまでとは興味を持つ本が変わってきます。

手札を増やせるよう、実際に置いてみて、好評だった実践例を解説します。

季節・日本の年中行事のコーナー

季節を感じることができると、生活が豊かになります。子どもに「気づき」を持てるように図書館を季節ごとに変化させましょう。

新年度の始まりは、新入生の歓迎と、在校生の進級のお祝いの飾りをしましょう。入口や廊下も飾って、図書館へ誘いましょう。

  • 1年生の生活の本・・・「1ねん1くみの1にち」(写真・文/川島敏生 出版/アリス館 2010年8月)・「いちねんせいのいちにち」(作/おかしゅうぞう 絵/ふじたひおこ 出版/佼成出版社 2004年3月)
  • 進級に向けて・・・「教室はまちがうところだ!」(作/蒔田晋治 絵/長谷川知子 出版/子どもの未来社 2004年5月)・「学校では教えてくれない大切なこと 友だち関係 出版/旺文社 2015年11月)
  • 委員会活動や係の仕事の本・・・「図書委員アイデアブック 監修/吉岡裕子 村上恭子 出版/あかね書房 2019年12月) 

梅雨

  • 雨が楽しくなる絵本・・・「おじさんのかさ」(作・絵/佐野洋子 出版/講談社 1992年5月)・「バムとケロのにちようび」(作/島田ゆか 出版/文溪堂 1994年9月)
  • 雨の物語・・・「雨ふる本屋」(著/日向理恵子 絵/吉田尚令 出版/童心社 2008年11月)・「雨やどりはすべり台の下で」(作/岡田淳 絵/伊勢英子 出版/偕成社 1983年)
  • どうして雨が降るのか分かる絵本・・・「しずくのぼうけん」(文/マリア・テルリコフスカ 絵/ボフタン・ブテンコ 訳/内田莉莎子 出版/福音館書店 1969年8月)・「みずたまのたび」(作/アンヌ・クロザ 訳/こだましおり 出版/西村書店 2015年3月)
  • 水の循環が分かる本・・・4類
  • 雨を活用している地方の工夫の本・・・2類

★「洪水」や「豪雨」「異常気象」の本は、「雨が楽しくなる本」ではないので、【 防災訓練 】のテーマの時に出すことにして、今回は割愛しました。

海や水を感じる飾りつけで、視覚から涼しくなるようにします。

  • 海や水がでてくる絵本・・・「にじいろのさかな」(作・絵/マーカス・フィスター 訳/谷川俊太郎 出版/講談社 1995年11月)・「かわにくまがおっこちた」(作/リチャード・T・モリス 絵/レウィン・ファム 訳/木坂涼 出版/岩崎書店 2019年8月)
  • 夏の虫の飼い方の本
  • 夏休みの自由研究の本・・・4類の自由研究のヒントになる本や調べたことをまとめられるよう新聞の書き方の本も一緒に
  • 貝殻やサンゴを使った工作の本

秋分の日・お彼岸

ブドウの紫色やトンボの赤や青で夏の終わりを告げます。先祖から伝わった大切な命を考えられるといいですね。

  • 受け継がれる命の本・・・「いのちのまつり ヌチヌグスージ」(作/草場一壽 絵/平安座資安 出版社/サンマーク出版 2004年10月)・「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(作・絵/長谷川義文 出版/BL出版 2000年7月)
  • 彼岸花(のような)が出る絵の本・・・「彼岸花はきつねのかんざし」(作/朽木祥 絵/ささめやゆき 出版/学研 2008年1月)・「花さき山」(作/斎藤隆介 絵/滝平二郎 出版/岩崎書店 1969年)・「ひがんばな」(作/甲斐信枝 出版/福音館書店 2008年2月)

中秋の名月

月を天井からつるす「天井飾り」をするとお月見をしている気分になります。

  • 月が出てくる楽しいお話・・・「たぬきのおつきみ」(文/内田麟太郎 絵/山本孝 出版/岩崎書店 2003年9月)、「パパ、おつきさまとって!」(作/エリック・カール 訳/もり ひさし 出版/偕成社 1986年12月)
  • 月に関する科学者の伝記・・・2類「月のえくぼを見た男 麻田剛立」(著/鹿毛敏夫 出版/くもん出版 2008年4月)のような読み応えのある本
  • 月の満ち欠けが分かる本・・・4類
  • 竹取物語とかぐやひめ

秋のオレンジ色は郷愁を感じます。実物のどんぐりやまつぼっくりと一緒に。

  • 秋を感じる絵本・・・「14ひきのあきまつり」(作/いわむらかずお 出版/童心社 1992年10月)、「どんぐりむらのぼうしやさん」(作・絵/なかやみわ 出版/Gakken 2010年8月)など
  • 焼き芋、干し柿の本・・・「ばばばあちゃんのやきいもたいかい」(作/さとうきわこ 出版/福音館書店 2000年10月)、「干し柿」(文・写真/西村豊 出版/あかね書房 2006年10月)など
  • きのこの本・・・知識の絵本 「きのこ ふわり胞子の舞」(写真・文/埴沙萠 出版/ポプラ社 2011年9月)
  • 虫がでてくる本・・・4類「虫たちのコンサート」(著者/松山史郎・小川宏) 出版/大日本印刷 1990年2月)や1,2年生の生活科で取り扱う虫の飼い方の本
  • 落ち葉・どんぐりの本・・・4類やちしきの絵本
  • 秋の工作の本・・・7類 どんぐりやまつぼっくりを使った工作

冬はクリスマスだけではありません。寒くなってきたら読むと温かくなる絵本もいいです。

  • 温かくなる絵本・・・「おひさまパン」(作・絵/エリサ・クレヴェン 訳/江國香織 出版/金の星社 2003年7月)・「てぶくろ」(作/ウクライナ民話 絵/エウガーニー・M・ラチョフ 出版/福音館書店 1965年11月)・「アナベルとふしぎなけいと」(文/マック・バーネット 絵/ジョン・クラッセン 訳/なかがわちひろ 出版/あすなろ書房 2012年9月)
  • 冬のお話・・・「雪わたり」(作/宮沢賢治 絵/堀内誠一 出版/福音館書店 1969年12月)・「しっぽのつり」(作・絵/いもとようこ 出版/金の星社 2008年5月」)・「ブレーメンのおんがくたい」(作/グリム 絵/ハンス・フィッシャー 訳/せたていじ 出版/1964年4月)
  • 冬眠を知ることができる本・・・4類
  • 雪・・・4類の雪が降る仕組みの本や2類の雪が多い地方の生活の工夫の本
  • 氷・雪の結晶の本・・・伝記「雪の写真家ベントレー」(文/ジャクリーン・グリックズ・マーティン 絵/メアリー・アゼアリアン 訳/千葉茂樹 出版/BL出版 1999年)や結晶の写真図鑑
  • 冬野菜の本・・・6類
  • 温かい料理の本・・・5類
  • リースの工作の本

年 末

1年の締めくくりです。冬のコーナーに加えるだけで、年末っぽくなります。「来年もよろしく」と書いておくと、図書館を出る子どもが「来年もよろしく」とあいさつをしてくれます。

  • 1年を振り返ることができる本・・・「ぐりとぐらのいちねんかん」(文/中川李枝子 絵/山脇百合子 出版/福音館書店 1997年10月)
  • 年越しを感じさせる本・・・「かさじぞう」(再話/せたていじ 絵/赤羽末吉 出版/福音館書店 1966年11月)

年 始

新年のおめでたい雰囲気を赤や白で表現して、凧を天井からつるすと自然に上を向きます。干支を飾ると「ねーうし、とら・・・」とかわいい声が聞こえてきます。

  • 干支の本・・・「十二支のはじまり」(文/岩崎京子 絵/二俣英五郎 出版/教育画劇 1997年11月)・「十二支のお節料理」(作/川端誠 出版/BL出版 1999年11月)
  • おせち料理の本・・・3類でお節料理の由来の本や和食について知ることができるの本・7類の和食の作り方の本
  • その年の干支がでてくる本
  • お正月の本・・・「はつてんじん」(作/川端誠 出版/クレヨンハウス 1996年)

節 分

寒い季節です。図書館を暖かくして「図書館は暖かいからまた来よう」と思ってもらえるといいですね。「寒いから行かない」とならないように・・・翌日は立春です。

  • 節分の話・・・「鬼といりまめ」(作/谷信介 絵/赤坂三好 出版/佼成出版社 1991年)・「かえるをのんだととさん」(再話/日野十成 絵/斎藤隆夫 出版/福音館書店 2008年1月)
  • おにが出てくる話・・・「おにぼう」(作/くすのきしげのり 絵/伊藤秀男 出版/PHP研究所 2016年10月)、「ないたあかおに」(作/浜田廣介 絵/池田龍雄 出版/偕成社 1965年12月)・「ソメコとオニ」(作/斎藤隆介 絵/滝平二郎 出版/岩崎書店 1987年)
  • 豆の本・・・「すがたを変える大豆」(作/「食べもののひみつ」編集室 出版/理論社 2022年10月)・「しょうたとなっとう」(写真/星川ひろ子 星川治雄 文/星川ひろ子 星川治雄 監修/小泉武夫 出版/ポプラ社 2003年) 

節分を過ぎると暦の上では春です。寒い日々にも春の芽生えを発見します。校舎内の梅や桃が順に咲きます。

  • 春の訪れ・・・「ぽとんぽとんはなんのおと」(作/神沢利子 絵/平山英三 出版/福音館書店 1985年2月)・「はるをさがしに」(写真/久保秀一 文/七尾純 出版/偕成社 2002年3月)・「ふゆめがっしょうだん」(文/長新太 写真/冨成忠夫 茂樹透 出版/福音館書店 1990年1月)
  • 春の植物・・・「つくし」(作・絵/甲斐信枝 出版/福音館書店 1997年)
  • 冬眠から覚める話・・・「はなをくんくん」(作/ルース・クラウス 絵/マーク・シーモント 訳/きじまはじめ 出版/福音館書店 1967年3月)

役に立つサイト

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