蔵書点検は、公共図書館でも学校図書館でも司書の大切な職務のひとつです。

1年に1度行います。お店でいう「棚卸」と似ています。

蔵書点検はこんな仕事

  • 書架目録と照らし合わせる作業
  • 電算化されている図書館であれば、図書館ソフトに「蔵書点検」のシステムを使用し、蔵書リストと照らし合わせること
  • 図書、またバーコードが付いている資料を全て、バーコードリーダーで読み取る
  • 蔵書の数にもよりますが、数日かかる作業

「蔵書の全て」なので、かなり重労働です。

特に、学校に1人の学校司書にとっては、大変な負担です。

司書教諭の先生など先生方、ボランティアさんにお手伝いしていただけるといいです。

近隣の学校司書さんと、お互いの学校を手伝い協働作業にすると気持ちが楽です。

蔵書点検の意義

  • 行方不明の本をあぶり出すことができる
  • 廃棄の判断ができる
  • PC上で貸出中になっているけど、実は図書館に返却してある本が分かる
  • 未登録の本・登録を修正する本が分かる
  • 正しくない排架の本を直すことができる
  • 目立たないの良書に再会できる

不明本のリストの中には、書架にあったのに「何らかのバーコードエラーや飛ばしてしまった」「修理に回している」「先生が貸出手続きせずに持って行っている」ということもあるので、確認しましょう。

「4年連続で不明」など数年に渡って不明になる場合は、本当にないのかもしれません。

シリーズの中の本など、必要な本は再度購入するよう計画を立てましょう。

パソコン上で貸出中になっている本が図書館にあった場合は、借りていることになっている子どもに早急に教えてあげましょう。紛失したと思って、血眼になって探しているかもしれません。

一般的に

  • 年度末の春休みの前
  • 夏休み期間中

まずは学校の慣例に合わせて行い、後々、やり方を変えてもよいでしょう。

【年度末の春休み前に行う場合】

3月に入ったら、【今年度最後の貸出の日】と【返却期限】を図書館だよりなどで子どもたちや先生方に知らせます。

春休みは、図書の貸出を行わないことが多いです。

閉館せずに子どもが出入りすると、チェック済と未チェックの本が入り乱れて、難しくなります。

【夏休み期間中に行う場合】

夏休みは「特別貸出」を行うため、1年間で1番、書架に並ぶ本が少ないので楽です。

先生方も普段より時間に余裕のあることがあるので、お手伝いしていただけるか声をかけやすいです。

反面、ボランティアさんは家に子どもがいる期間なので、お手伝いが難しくなります。

システム上、「貸出中」の本はバーコードリーダーで通さなくても「不明本扱い」にならないよう設定できるか確認しましょう(たいてい出来ます)

やり方を工夫するだけで、断然、やりやすいです。

自分なりに工夫して、重労働の心と体の負担を軽減しましょう♪

蔵書点検の準備

  1. 廃棄予定の本は、図書館ソフトで「廃棄処理」を行う
  2. 図書館ソフトを立ち上げ、蔵書点検のシステムを選ぶ
  3. 前回がきちんと終わっているか確認する
  4. 前回の蔵書点検の続きにならないよう、リセットする
  5. 「貸出中」の本が「不明の本」に入らないようにセットする
  6. 1日で終わらないことを考慮して、作業を中断したりPCをシャットダウンしても、継続して行えるかどうかをマニュアルなどで確認しておく
  7. 初めての場合は、試しにやってみる

廃棄の本は処理を終え、二度手間にならないようにします。

蔵書点検は前回、確実に「終了」していることを確認しましょう。

数百冊、点検が終わった時に、「また最初からやり直し」という事態は避けたいものです。

「こんな本もあったのか」など新しい発見もあり、負担だけではないのでご安心を😊

パソコンとバーコードリーダーを複数用意できる場合は、図書館ソフトが入っていなくても【メモ機能】を使うと、蔵書点検ができます。マニュアルを確認しましょう。

点検を忘れがちなところ

  • 図書館以外の場所にある本(職員室・保健室など)
  • 郷土資料
  • 多読読み物
  • パンフレット類
  • 閉架の本
  • 修理に回している本
  • 廃棄予定にしている本

お疲れ様でした!

蔵書点検前に横向きに寝かした本は、全部元に戻っていますか?

  1. 未点検リストを画面で見る
  2. 点検漏れを確認する
  3. 上記の「忘れがちな資料」も点検しましたか?
  4. 明らかに「点検漏れ」の図書・資料を再度、点検する

それでも「未点検」の図書は、残念ながら「行方不明の本」です。

子どもや先生が、無断で持って行っているということで、持っていないか尋ねたりポスターを掲示したりましょう。

図書館ソフトでは、過去のいつから「不明本リスト」に載っているのか分かります。

毎年「不明」の本は、除籍して再度購入を考えましょう。「過去、何回不明になったら除籍する」と学校で決めておくとよいです。

いつまでも除籍しないと「不明リスト」がどんどん増えてしまうし、諦めて購入しないと、必要な時に使うことができません。

1年に1回、蔵書点検(書架目録と照らし合わせる、又はバーコードリーダーで読み取る作業)を行います。

春休みの前か夏休み期間中に行うことが多いです。

重労働ですが、終わった後はスッキリします。

「またこの図書を多くの子どもたちが手に取ってくれるように」と心新たに願い、これからの戦略を考えるよい機会になるでしょう。