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本は右手で持つの?左手で持つの?
学校図書館の読み聞かせのやり方を、初めての学校司書さんやボランティアさんにも分かりやすく解説します。
読み終わった後に大切なことが3つあります
これも「学校ならではの読み聞かせ」です
目次
- 準備
- 読み方
- 本番
- まとめ
1. 準 備
【本の準備】
学校図書館の読み聞かせの本は、ご家庭や公共図書館とは少し違った視点で選ぶことがあります。
①本を選ぶ
読み聞かせの本は、大勢の子どもの前で読むので、あまり小さい本や色彩が淡い本は向きません。
また「学習の一環である」学校ならではの選書の留意点があります。
学校ならではの選書
- 季節に合わせる
- 学校行事に合わせる
- 学習単元(国語以外にも)に合わせる
- 読書推進につながること
※ボランティアさんは、学校司書や担任の先生に相談するとよいです。
役に立つサイト
選書の仕方を詳しく解説しています
②たくさん練習する
何度もつっかえてしまうと、子どもたちの集中力が途切れてしまうことがあります。
たくさん練習するといいこと
- よどみなく読むことができる
- 誰のセリフなのか理解して、声音を変えることができる
- 緩急をつけたり、間を空けたり、ページをめくるスピードを工夫することができる
- 不安や緊張がなくなる
学校は、朝学習や授業の時間に読み聞かせを行うので制限があることがあるので、時間は計っておきます。
特に高学年への読み聞かせの本は、ボリュームがあることがあるので、時間を計って、間や読むスピードを調整しましょう
③絵本に折ぐせをつける
絵本は、新しい本も本棚にしまってあった本も、閉じてあったので、開きにくいことがあります。
読み聞かせの時に開きやすいように「折ぐせ」をつけましょう。
折りぐせのつけ方
- 絵本の真ん中を開いて、手のひらで「のど」が開くようにおす
- その他のページも全部「のど」を手のひらでおして開きやすいようにしておく
【心の準備】
身だしなみに気を付けましょう
- 息を整えます(練習通りに読むことが難しい)
- 汗をふきます(子どもが気になります)
- コートは脱ぎます(朝の読み聞かせで、ボランティアさんが着たままだと「朝の忙しい時間に来てくれて、読んだらすぐ帰るんだな」と子どもに感じさせてしまう)
特に朝の読み聞かせでは、気を付けます。ボランティアさんにもお声かけしましょう。
2.読み方
あまり大袈裟に読まないほうがよいです。子どもは想像できます。
読み方の基本
- ゆっくりと、はっきりと
- 間を意識して
- 大げさに読まないほうがよい
セリフの部分は、おじいさん、おばあさん、孫なのか、またセリフではないところなのかが分かるくらいでよいです。
間を空けることで、セリフを言っている人が変わったことも分かります。
あまり感情的に読まなくても、自然に気持ちが声に入ります。
③本番
いよいよ本番です!最初は緊張するかもしれませんが、だんだん子どもと一緒に楽しむことができるようになります。
- 読み手の場所
- 本の持ち方
- 実演
- 読み終わった後の大切なこと3つ
読み手の場所
学校の読み聞かせは、学校図書館でも教室でもポイントは同じです。
読み手は、後ろに掲示物や物がないところがよいです。子どもの気が散るからです。
教室や図書館に、後ろに何もない壁なんてあるの?
教室だったら黒板の前やまぶしくなければカーテンを閉めた窓の前とか。黒板はできるだけ書いてあることは消しましょう。消すことが難しければ、模造紙や布で隠してもよいです。
図書館は、畳やじゅうたんの読み聞かせスペースで。後ろにある物は片付けて。難しければ、布を被せましょう。
【注意!】窓や蛍光灯の光を絵本が反射して、見えにくくなってしまうことがあります。絵本を少し前に傾けると効果があることがあります。
読み手が「立つのか座るのか」は、子どもが椅子に座るのか、床に座るのか、によって変わります。
本の持ち方
絵本は片手で持ちます。大きい本は重くて大変なこともあります。
利き手で持ちたいところですが・・・
絵本の文字が縦書きの場合は、左手 で持って
絵本の文字が横書きの場合は、右手 で持つと
読みながら、次のページをめくる準備ができます。
どちらか忘れてしまったら、本を構えてみて、ペラペラ紙が見えていて、背が向こう側になるように確かめましょう。
読み手が椅子に座って、膝に置いて読む時には、絵本が天井に向いてしまうと子どもたちからよく見えないので、注意しましょう。
実演
【本の高さ】
- 後ろの方の子どもにも見えるように
- あまり高いと前の方の子どもが見えにくくなったり、首が痛くなったりします
【絵本を読み方】
- 表紙を見せます。
- 作者名は、文章を書いた方、絵を描いた方、翻訳した方、全部読みます。
- 見返し(表紙をめくった次のページ)を無地でも飛ばさずに子どもに見せます。
- 読みながら、ページをめくる準備をします
- 後ろの見返し(裏表紙をめくったページ)も見せます
- 裏表紙を見せます
- 絵本を開いて、表紙と裏表紙を同時に見せます
・見返しは、「作者の気持ちがあらわれている」と言われています。(例)「はらぺこあおむし」作:エリック・カール 訳:もりひさし 出版:1976年5月 偕成社
・白の無地の場合は、「心を鎮めて」などの意味があると言われています。
・❼の本を開いて、表紙と裏表紙を見ると、絵がつながっていることがあります。驚きます!(例)「おおきなかぶ」再話:A・トルストイ 訳:内田莉莎子 画:佐藤忠良 発行:1966年6月 福音館書店
佐藤忠良さんは「さとう ちゅうりょう」さんです。読み方は確認しましょう。奥付のページの下の方にローマ字で書かれていることがあります。
【読み終わった後の大切なこと3つ】
まず1つ目。やってしまいそうなことです。
子どもたちに感想が聞きません
感想を聞くと、余計な脳が働き、絵本の世界に浸っているのに、一気に、強制的に現実世界に引き戻されることになります。
加えて、次回の読み聞かせの時に「感想聞かれるのかなぁ」と考えながら聞くことになり、絵本に集中できません。
2つ目は読み手の感想です
感想は言いません
感想を言うと、感想を「押し付ける」ようになってしまいます。子どもの自由な発想・気持ちを大切にしましょう。
3つ目は、
余韻を大切にして、静かに終わりましょう
静かに本の裏表紙などを見せて絵本が終わり、余韻に浸っています。「おしまい」や「ありがとうございました」(静かに聞いてくれて、ありがとう、の意味で)などで静かに言うと「終わったんだな」と分かります。
まとめ
絵本の読み聞かせのは、読み手にとっても子どもたちにとっても、宝物です。
子どもたちと楽しく、豊かな時間を共有しましょう
- 選書は季節や行事、学習を考えて
- 読書推進も意識した選書を
- 練習はたくさんします
- 本番前の「こころの準備」もお忘れなく
- 読み手の後ろには何もない所がBEST
- 本は見えやすい高さで
- はっきりとゆっくりと読みます
- 間を意識します
- おおげさに読む必要はありません
- 絵本の作家さんたちのお名前は全部読みます
- 見返しは飛ばさず、しっかり見せます
- 表紙と裏表紙を広げて見せます
- 感想は聞かず、感想は言いません
- 静かな余韻の時間が大切です
役に立つ動画
読み聞かせのやり方を丁寧に解説します。