「授業支援をしてください」と言われて困ったことはありませんか?
学校司書は何を「支援」したらいいのか分からない。
教員をやったことがないから、何をして欲しいのかも分からない。
担当の先生から依頼されるの?
司書教諭の先生に依頼されるの?
そもそも、依頼がこないけど・・・
という方も、
日頃、授業支援をしてるけど、他に何かないかなぁ!?
という方にも、ヒントになると思います。
学校司書が教室に入って、先生とばりばり協働していることが本に書いてあるけど、「スーパー学校司書」だけができるのかな?
大丈夫です!授業支援とは何なのか、またどなたでもすぐできる具体的な実践をお話しします。
(まだ1年生の一部しか紹介していませんが、随時、公開していきます。)
もくじ
【授業支援とは】
学校図書館の特徴としてあげられるのは、「授業支援」ではないでしょうか。
「授業支援」は多岐にわたります。
色々な授業支援
○並行読書の本を提供する。(主に国語)
☆子どもに読み聞かせをする。
☆関連する本を紹介(ブックトーク)をする。
☆子どもたちが好きなときに読めるように、学年の廊下に置く。
(多読がねらい。ラックを準備する・家には持って帰らない・学年で管理してもらう、など諸注意もあります。)
○単元の導入に図書を活用する。
(歴史や理科など、国語以外にも。ノンフィクションや科学の絵本などで子どもの「知りたい」気持ちを高める。)
○調べ学習で使う本・資料を準備する。
(公共図書館で学校連携担当に相談し、学校貸出を行ってもらうと、多くの資料が揃います)
○百科事典や図鑑の使い方のレクチャーをする。
○図書館の使い方・資料の探し方をレクチャーする。
○図工の絵の参考になる動植物の資料を提供する。
「授業支援」とは「先生方と一緒に授業に参加して、直接お手伝いをする」ことだけではありません。
「縁の下の力持ち」のように、教室に入らずに、しっかり支援できることがあります!
学校図書館は唯一無二の存在!
学校司書は教師ではないので、授業を行うわけではないですが、「子ども」「先生」「学習」が学校図書館を中心に歯車のように、スムーズに回るお手伝いができます。
教科をまたいだ学習、つまり「教科等横断的な学習」には、やはり学校図書館が「HUB ハブ」の役割を果たすことができます。
いかがですか?学校図書館ってスゴイですね!
「司書教諭の先生から依頼される」が理想です
授業支援は、
司書教諭の先生⇒担当の先生に提案
または、
担当の先生⇒司書教諭の先生に依頼・相談
その上で
司書教諭⇒学校司書に依頼
その後
司書教諭・担当の先生・学校司書で打ち合わせ
を行い、授業支援を行います。
本来「そうあるべき」ですが、時間などの関係で、
担当の先生⇒学校司書
というように、直接依頼をされることもあるでしょう。
そもそも、依頼されないんだけど・・・
分かります!
先生方の中には、学校司書にどこまで依頼していいのか、学校図書館にどのくらい資料があるのか分からない、など学校図書館を使うことに慣れていなかったり、そもそも学校図書館を利用する発想がなかったりすることもあるようです。忙しいので、なかなか図書館に足を運び、常に学校図書館を意識して授業を組み立てる先生は少ない印象です。
そのために「司書教諭」が学校図書館と学校司書と授業のかけはしになる業務を任されていますが、その司書教諭も学級担任と兼務であり、同じく忙しいので「手が回らない💦」という声を聞きます。
それに、司書教諭の先生ご自身も、「学校司書に何ができるのか」「学校図書館の資料の量と使い方」が分からないかもしれません。
プレゼンしてみましょう
授業支援の資料を作って、司書教諭の先生や担当の先生にプレゼンしてみませんか?
学校図書館の資料の数を伝えて(1人1冊なのか班に1冊なのか)、目でも分かるように、使用できそうな資料の本棚、または図書をまとめてラックに移して、写真を撮り、先生方に見てもらいましょう。「こんなにあるんだ」とか「これは使えそうだな」とか、改めて、学校図書館の利用を授業計画に入れられるかもしれません。
もう、授業計画が出来上がっていて、プレゼンを聞いてくれないのでは?
大丈夫です!
「授業計画の変更」ではなくて、「挿入」や「付け加え」の提案ですから。
できたら、年度初めに「学校図書館年間計画・提案」をまとめたものを、先生方にプレゼンしておけば、授業計画の時に、図書館の利用がスムーズに行われるかもしれません。
そして、利用できる単元が近づいたら、再度、先生方に声をかけると「あ、そうだ。年度初めに提案されたものだ」と思い出してもらえるかもしれません。
授業内では活用しなくても、子どもがいつでも読めるように、関連図書を廊下に置いておくのも授業支援です。興味を持ったらすぐに図書を手に取れる環境は、大変有意義で、子どもたちにも喜ばれます。
例えば、宮沢賢治作品や椋鳩十・重松清などの単元では、その作者の他の作品もたくさん読めるといいですね。ラックに入れて「はい、どうぞ」と置いておくより、ポップなどで、それぞれの作品の要約やオススメポイントを一緒に掲示しておくと、より手に取りやすくなります。
社会科で「低い土地の工夫・寒い土地の工夫」など国土についての学習や歴史で学習している時代の資料もラックに入れて学年の廊下に置きます。図書資料も掲示も、図書館の外に出すことで、より、図書館が身近なものになるでしょう。
プレゼン資料は、一通り、司書教諭の先生にも、お話ししておきましょう。
準備をしましょう
自分で「こんなのどうかな」と思ったものは、作っておきましょう。
急な依頼にも対応できるし、今年度活用しなくても、今後、またプレゼンして活用するかもしれません。
授業で取り上げることはなくても、図書館内に掲示をすると、子どもの目に留まります。
授業支援の注意点
ひとつ注意しないといけないのは、学校司書が子どもに本を紹介するタイミングです。
例えば、4年生の理科の「水の変化」を学習する際、実験をすることがあるでしょう。その答えが書いてある本を紹介したい場合、実験の前がよいのか、後がよいのか、先生に確認しています。
また1年生の「あさがお」も、朝顔の科学読みものや観察名人になれる本も紹介したいですが、どのタイミングで紹介したらよいか、担任の先生に聞きましょう。
実験や観察で「気づき」を大切にしたいのに、目で確かめて考察する学習の機会を奪わないように気を付けています。
コミュニケーションが大切
学校司書は非常勤の勤務体系であることがあると思うので、先生方となかなか話をする時間を取るのは難しいかもしれません。
やっと放課後、先生が職員室戻ってきたら、学校司書の勤務時間が終わることがあるでしょう。
廊下を歩いている姿を見つけて、追いかけながら話をする、ということもあると思います。
できるだけ、コミュニケーションを取ることを心掛けています。
そして、新しく赴任された先生は特に狙い目(⁉)です。
前任校の学校司書の授業支援を聞いて、取り入れることができます。
また「この学校の学校図書館の利用法」をお話しすると、図書館の活用を促すことができます。
先にも書きましたが、非常勤の勤務時間の制限のため、先生方とお話をする時間が取ることが難しいです。それに、放課後も忙しいでしょうから、話しかけにくい・・・と思うこともあるでしょう。
でも、時間の許す限り、職員室にいてみてください。先生方には放課後「休憩時間」が設定されていることがあります。非常勤は給食の時間が休憩時間も兼ねるような感じですが、先生方は「給食指導」で勤務ですから、放課後まで休憩時間はないですからね。
コーヒーを淹れたり、日中の忙しさとはまた違う時間が流れています。「休憩時間」仕事の話をするのも、申し訳ない・・・と逆に思うかもしれませんが、長い時間でもないので、話しかけてみてください。
できることからで大丈夫!
学校司書の「授業支援の実践発表」を学ぶと、「先生を巻き込んで」「学校図書館から発信し」「学校司書が中心となって」と輝かしい活躍✨を見ることができます。
それは学校図書館長や司書教諭の先生、学校の風土など、その優れた学校司書さんのお力以外にも、活動実践には関わってくることがあると思います。
その力のある学校司書さんも、色々な経験やご苦労、人一倍の努力があっての現在なのだと思います。
子どもたちの成長に関われることを喜びとしている学校司書の皆さん、楽しみましょう♪
初めて図書館にやってきます。たくさんの本に目を輝かせることでしょう。これからの図書館の使い方をレクチャーします。1年生から図書を使って調べ学習の素地と読書習慣を養うことを意識しています。
時間割の中に週に1度、「図書の時間」を入れてもらいましょう。特に低学年から読書と図書館利用の習慣をつけることは大切です。
新年度の各学級の「図書館開き」の日は「図書館オリエンテーション」を行いましょう。教科書に合わせることが大切です。学年に合わせた「分類表」をダウンロードできます。
3年生で図鑑、4年生で百科事典の使い方を学びます。両方、同時に3年生でレクチャーしています。
調べ学習を行う時に必要な「調べ学習カード」をダウンロードできます。低学年用と高学年用があります。
読書感想文は、読書にとって大切です。夏休みの前などに、読書感想文の本や読書感想文の書き方について相談されたことはありませんか?「読書感想文を書きやすい本」が確かにあるし、「読書感想文を是非書いてほしい」本もあります。相談された時に役立つサイトです。