1年間を振り返る
年度末には、1年間を振り返ります。
○読み聞かをした本
○単元などに合わせて紹介した本
もう1度並べます。本を見て、その単元を思い出して学習の振り返りの意識づけと、読み聞かせをした時の季節や行事を思い出し、自分の成長を感じてもらいたいと思っています。紹介した時には他の子どもに先に取られてしまって読めなかった本を思い出して、読書意欲にもつながります。
年度末には、普段と違った「お楽しみ」つきで読み聞かせをしています。
小学1年生
王さまと九人のきょうだい(訳:君島久子 絵:赤羽末吉 岩波書店)
中国のお話です。1年生では国語で昔話を学習します。年間通して外国の昔話と日本の昔話を単元のタイミングで読み聞かせと本の紹介をします。この本は読み聞かせすると10分かかるので、1年生にとっては自分で読むにも読み聞かせするにも少し長いです。しかし九人のきょうだいの名前を読み上げるとユニークな名前に笑いがおこり、それをちゃんと覚えていて、ストーリーに登場する人物名を想像してズバリ当てていかれることに驚きます。
2年生の国語の教科書で紹介している出版社もあるので、2年生で読んでもよいです。
小学2年生
ピンクのれいぞうこ(作・絵:ティム・イーガン 訳:まえざわあきえ ひさかたチャイルド)
ネズミのドズワースはがらくた置き場からまだ使えそうな物を持ち帰り、それらを売るお店を営んでいます。そのがらくた置き場にあった不思議なピンクのれいぞうこを開けると、メッセージ付きで絵具や本、楽器など毎日違ったものが入っています。読み聞かせの時にはダンボールでピンクのれいぞうこを作り、そこから絵本に登場するものを実際にれいぞうこから取り出します。子どもたちは前のめりで聞いてくれます。
小学3年生
光の旅かげの旅(作・絵:アン・ジョナス 訳:内海まお 評論社)
モノクロの様々な風景の中ドライブをして、帰りは本を天地逆さにしページを繰っていきます。不思議な現象に驚きます。3年生は理科で光と影を学習し、「ちいちゃんのかげおくり」(作:あまんきみこ 絵:上野紀子 あかね書房)を学習することもあり、リンクしています。
小学4年生
みずとはなんじゃ(作:かこさとし 絵:鈴木まもる 小峰書店)
かこさとしさんの最後の作品です。鈴木まもるさんと綿密な打ち合わせを重ねて、最後に子どもたちに伝えたいことを作品にする様子をテレビで観ました。水の性質は4年生の理科で学習します。この本は水の性質から地球上の水について語り、最後には未来を子どもたちに託しています。かこさんの過去の言葉と共に、かこさんの他の作品を紹介しています。10歳という節目の年にぴったりです。
かこさんが亡くなった時に新聞に掲載されていた、かこさんからの子どもたちへのメッセージも一緒に伝えています。
小学5年生
からすたろう(作・絵:やしまたろう)
やしまたろうさんが恩師にささげた本です。ちびと呼ばれる男の子が6年生の学芸会でからすの鳴きまねを披露しました。担任の先生が、からすの鳴きまねができるのは遠くから通うたろうだからこそできた、と皆に話し、会場の人々は6年間つらくあたってきたことを悔います。いよいよ最高学年にあがる5年生が、悔いの残らない清々しい1年間を送ってもらえることを祈ります。
小学6年生
卒業を目の前に控え、学校司書としてできることは、調べ学習の時の出展の書き方の習慣にすることの大切さを知ってもらうことと、読みかけの本がいつもあるように伝えること、それから未来へと背中を押してくれる絵本の読み聞かせでしょうか。読み聞かせをしている本を複数紹介しています。
もし、上記の学年で読んでいない本があったら、それらの本もオススメです。