図書館は【本を探すことができる】ことが重要です。
それには「本の並べ方にきまり」がないと、探すことができません。
子どもが本を「元あった場所に返す」時にも「ルール」の通りに戻さないと、やはり探すことができくなるので、指導をしましょう。
本を書架に入れることを「排架」又は「配架」と言います。
日本十進分類法を使いましょう
日本の「図書館」は【日本十進分類法】に基づいて排架します。公共図書館も学校図書館も同じ分類法ということです。
NDC(Nippon Decimal Classification)とも呼ばれています。現在は10版です。
図書館の本は「本の中身によって仲間分けがされて」います。その仲間はこの「日本十進分類法」で分けて、数字の順に並べていきます。
書店の分け方とは違うことがあります。
本には「請求記号ラベル」(「所在記号ラベル」)を付けて、分類記号(分類の数字)などを記します。
ラベルが本の所在、住所になるので、探す時にも返す時にも役立ちます。
3段のラベルの場合、一番上に「分類記号」、2段目に「図書記号」、3段目に「巻冊記号」を書きます。(詳しくは次の章で)
- 分類記号の若い数字の本を右に置き、左に次の本を置きます
- 同じ分類記号の場合は、「図書記号」で分けます
- 「巻冊記号」の順に並べます
【日本十進分類法】は、図書館員(公共図書館も学校図書館も)にとって、必須事項です。
全部覚える必要はありませんが、理解して、自分でも分類できるようにしましょう。
子どもにもレクチャーする立場です。
請求記号ラベルの書き方
通常、「ラベル」は本の背の一番下に貼ります。
ラベルは2段のものや3段のものなど、いくつか種類がありますが、3段のラベルで揃えると利用しやすいです。
可能であれば、分類ごとにラベルの枠の色を変えておけば、子どもも分類記号と色で、正しい書架に戻しやすくなります。
ラベルの書き方
- 1段目:【分類記号】・・・日本十進分類法に基づいた記号(数字のこと)を書きます。学校の実態にもよりますが、3桁で分類すると整理しやすいです。5年生などの教科書にも、日本十進分類法は掲載されていて、3桁まで理解することができます。
- 2段目:【図書記号】・・・学校ではたいてい「ひらがな 又は カタカナ 1文字」が入ります。作者の頭文字か書名の頭文字です。【9類の文学は作者の頭文字】を入れます。作者でまとめて整理することが多いからです。著者が外国人の場合も、名前の「苗字」にあたる頭文字を入れることが多いです。【9類以外は、書名の頭文字】を入れることが多いです。シリーズでまとめたい場合は、あえてシリーズ名の頭文字を入れておけば、排架する時に分かりやすいです。伝記は、シリーズでまとめるのか、伝記の主題(主人公)でまとめるのか、で図書記号を工夫することもあります。
- 3段目:【巻冊記号】・・・複数あるシリーズの本の巻数を入れます。シリーズの1巻目は、本に「1」と書いていないことがあります。「2巻目」が出版されたら、発行年や出版社の情報を確認して「1」を書き入れましょう。同じシリーズでも、主題により分類が異なり、排架が離れた場所になることがあります。巻数を入れておくと、「このシリーズの他の本も読みたい」と興味を持つ子どももいます。
パネル・サインをつけます
本を探す時には、何類の本なのかを知り、次はどの辺りにあるのか察しをつけて探しにいきます。
分かりやすいように棚の上に、【第1次区分】(日本十進分類表の一番左の数字)の数字と、その棚の本のおおまかな中身を大きなサインを作成して掲示します。ラベルが分類ごとに色を変えることができた場合は、そのラベルの色を使用したパネルを作成するとより分かりやすいです。
<4類>冊数が多く複数の棚に分かれることがあるので、「4類 植物」「4類 哺乳類」など、棚ごとに掲示すると分かりやすいです。
<9類>複数の棚に分かれて、またかなり冊数が多いため、「図書記号」のサインもあると分かりやすいです。
主に913や933は「図書記号」の「仕切り」を本の間に挟みます。
頭文字が「あ」の作者の作品、頭文字が「つ」の作者の作品はこの段から置いてあると分かるようにします。絵本も同じようにすると探しやすいです。
「仕切り」は横や斜めから見ないと見えないので、古くなり廃棄する厚めの本や辞書などの外箱を利用してサインを作成して、前から見ても「ここからが488 鳥類」と分かるように、鳥類の最初に置くと、もっと探しやすい図書館へなります。